「消費税を増やそう派」が私達に隠していることを知ろう・序

お金の話

こんにちは、もも海です。
今回消費税が増えることについて(ちょっと勇気を出して)お話しするのですが、「消費税」に関して、おそらくこう思われたのではないでしょうか?

今更何言っても良くならないし意味ないんじゃ……。

私自身、昨年10月に2%も上げられてしまうからと、とりあえず思いつく買い物は9月までにたくさんして、増税後は最低限に近い消費に抑えようと努力していました。
(今年入ってからの食品ロス防止など、最近は購入量戻りつつあります)
全く景気が良くなったという実感なんてないまま、3度目の延期が総理大臣の判断で立ち消えたんだなあ、現総理になってから消費税倍増だなあと諦めていました。

ところが、今年入ってからの大変な事態を踏まえて、与党内でも消費税減税の声が上がったり、ドイツイギリスなど諸外国で付加価値税(日本の消費税にあたる間接税)の減税の動きが相次いだりしています。
国内外どちらも経済対策としての政策です。ただその流れがある以上、今一度消費税について知るいい機会であるのは間違いないのではないでしょうか。

紹介に勇気が要る参考文献

内容に入る前に参考文献の紹介をさせていただきます。
『マンガでわかるこんなに危ない!? 消費増税』という、表紙のかわいらしい女の子が主人公の本です。

こちらの本、書いてある内容も、特に最後の方は、もしネタバレが問題なかったとしても、お伝えするのがはばかられる結構怖いことが載っておりました。
序盤から結構かっ飛ばしているうえで、こんなことを書いて大丈夫なのかということまで記して、よくぞ出版されたなと尊敬してしまう内容です。

ただ私が「え、なんだか怖い」と思った件は本を手に取る前に起きました。
その件を話すのに避けて通れないので少しそれます。おそらく多くの方のきっかけがそうであるように、私もこちらの本を「中田敦彦のYouTube大学」を介して知りました。

中田敦彦のYouTube大学 - NAKATA UNIVERSITY
作成した動画を友だち、家族、世界中の人たちと共有

興味深いことを面白い観点で話し上手な方が伝えてくださるので、時々拝見しています。
今月の上旬もいくつかの過去配信をまとめて楽しませていただいたのですが、その中に「消費税導入の歴史からどういう状態と言えるかまで」を複数の参考文献を元に創られた動画がありました。

政治家と国民の間でどのような駆け引きが繰り広げられながら、いったん戦後禁止されたはずの間接税や赤字国債がいかにして世に戻ってきたのか等、分かりやすくご教示いただきました。

その動画で上記の本が紹介されていて、気になるな、読んでみたいなあと思いながら視聴を終えました。本の帯にもあったのですが、繰り返しこんな感じの表現があったためです。

本書の後半は怖すぎて、もうしゃべりたくない
権力者の皆さん、俺だけは勘弁してください!

『マンガでわかるこんなに危ない!? 消費増税』帯の紹介文 

この動画の内容も相当攻めているのに、さらにすごいってもうどんな感じなんだろう!!

秘密にされるとかえって気になってしまう人間の本能を突かれました。

問題はその2日後です。
上記本のタイトルをド忘れしてしまい、再生履歴をさかのぼって確認しようとしました。
その後首をかしげつつ上記チャンネルのアップロード動画のタイトルを全て見直しました。
それでも、どこにも見当たらなかったんです。

私が視聴してから2日以内に、その動画はもう観えなくされていた。もちろんそれは偶然ではあるのでしょう。その上で、結構攻めた内容の動画も多いチャンネルのはずなのに消された動画を、たまたま直前に観ることができたのは幸運だったとも言えます。

もちろん、記事として紹介したくなるほど、とても魅力的な内容が載っておりました。

内容も、偶然の出来事もドキッとさせてくれた本から、特に私がハッとした内容を抽出いたします。それでは参りましょう!

国の借金1千兆円超え

最初の敵(主人公を屈服させて消費税を増やすことに賛同させようとする人)が示した内容は、「国債残高(借金)が1千兆円を超えていて、日本国民1人当たり約9百万円の借金という計算になる。消費税は所得税や法人税より安定して入ってくる財源だから必要」というものでした。

国の借金、国民1人当たり〇百万という言葉は、貴方もどこかで聞いた覚えがあるのではないでしょうか? 私は小学校に来た税務署の職員さんや、学校の先生などから幾度となく聞かされて育ちました。
この理論に対して主人公はこう言い放ちます。

全部悪質なプロバガンダ!!!
「増税」のための悪質な印象操作よ!!!

『マンガでわかるこんなに危ない!? 消費増税』p29

プロバガンダ(特定の考えを押し付けるための政治的宣伝行為)だと!?」と敵も驚いていましたが、「そう習ったんだけど!?」と読者の私も驚かされました。

この最初の敵に限らず、こちらの本は「敵が話している内容にとても聞き覚えがあり、『そういうことなら(増税しても)仕方ないよね』と納得させられていること、を主人公がひっくり返す」構造でできています。今まで持っていた常識が崩され続けると、だんだん楽しくなっていきました。

では、何が「プロバガンダ」「印象操作」だと言うのでしょうか?

日本の「資産」はいくら?

借金が1千兆円以上あるのは皆さんご存じの通りです。
それに対して「資産」がいくらあるかによって、借金の印象って変わりますよね。

たとえば、年商3億円稼いでいる会社の社長は、事業拡大のため1億円借り、手取り十数万円の会社員は、マイホームのため3千万円借りるとしましょう。
借りる金額自体は社長の方が多くても、返すのは会社員より簡単そうですし、もっと借りようと思った際に社長には金融機関が貸してくれやすいですよね。
なぜなら手取り十数万円の会社員よりも、資産を持っていて返済能力が高いから。

資産をたくさん持っている方が、貸す側もいざという時それを差し押さえたらいいかと安心してくれるので、たくさん借りられます。

日本の「資産」は約1千兆円

この国の資産は約1千兆円、つまり借金である国債残高とほぼ変わらない額を持っています。
(年金積立金等、道路堤防等、外貨証券等、大学などの出資金の合計だそうです)

なんと日本は世界一の対外純資産の保有国なのです!

『マンガでわかるこんなに危ない!? 消費増税』p31

対外純資産は、「日本の政府や企業、個人が外国に保有する資産から負債を差し引いたもの」のことを指します。(資産は政府の外貨準備高、銀行の対外融資、企業の対外投資などの合計、負債は海外勢の対日投資などのことです)29年連続で日本は世界一になったようです。

つまり、資産と負債のバランスを見たら「偏りが少なくてそう悪くはない」と言えそうなんです。(資産=負債+純資産、と表で示したものを「バランスシート(B/S)」と呼びます)
バランスシート全体を見ずに負債の方ばかりを強調して「このお金をどうにかしないといけないから皆さんのお金を少しずつ多めにください!」という理論だったようですね。

この話がまだ本書の序の口に過ぎないという事実がすごいですよね!(語彙力)

それだけではなく、国債の理論にはもうひとつ大切な視点があります。

国債=誰が誰から借りているもの?

会社がする借金を「社債」というように、「国債」というからには日本国の借金です。
それをもっと端的に言えば、「政府」が国を動かすために借りている、「政府」の借金と言い換えられます。
政府が誰から借りているか、それは財務省にこのようなグラフで載っておりました。

財務省の「国債等の保有者別内訳」から一部抜粋しました

日本銀行

おそらく上のグラフをご覧になって、貴方はこう読み取られたのではないでしょうか。

約半数が日銀なの?

そうなんです。ここで重要なポイントとして、日本銀行は国の事務を行っている、「政府の銀行」と呼ばれる立場にあります。
親会社に代わって業務を行う、子会社みたいな関係と言えましょう。(中心となる親会社から、たとえば役割ごとに会社を分けていたとしても、業績を伝える決算は連結させて、グループ全体で黒字か赤字かを示しますよね)

つまり日銀と政府は一体のものであり
正しくはこれ(グラフの47.2%部分)は借金にならないのです!
政府と中央銀行のお金の貸し借りは右手から左手にお金を移すようなもの
日銀を借金に計上するのは借金を大きく見せるためとしか思えません

『マンガでわかるこんなに危ない!? 消費増税』p38

国債の金額を見かけ上「1千兆円超えていて大変!」とする、そのために、バランスシートの資産側へは日本銀行が持つ国債も含まれているそうです。

大体釣り合っている左と右の両天秤へ、同じ量のおもりを足せば、天秤のバランスが取れたまま錘を増やせますよね。
錘を増やしたうえで片方を隠して、もう片方に乗っている錘だけを見せながら
「こんなにたくさんあるなんて! この重さ、負担を少しでも減らしたいから協力してほしいんです!」
などと悲痛な声で呼びかければ、いかがでしょう。
優しくて善良な方々が力を貸してくれそうではありませんか?

純資産があるなら少し資産の方が多いのかしら、なんて図式化しながら、数字のマジック具合にモヤモヤしました。
ただ恥ずかしながら私、約半数が日本銀行となっている上記の国債のグラフを見たことがありました。それなのに、それが見かけ上の数字を増やすための演出だとは全く気付かず、鵜呑みにして今日まで過ごしていました……。

残りの約半数

約半数の47.2%が日本銀行でしたが、残りの約半数はどうでしょうか。

論点を分かりやすくするため日本銀行部分を灰色に塗りました

このグラフの、7.3%の海外を除く部分(銀行等、生損保等、公的年金、家計、年金基金、その他、一般政府(除公的年金))、合計45.1%の部分に関しては、国内です。家計やその他等を除いた全体の約4割が、国内の金融機関を示しています。

ここにあるのは国民が預けたお金!
つまり「政府」が借りてるお金の大半は「国民」のお金だということなの!
自分がお金を借りてるのに相手に借金が増えたって言う人やばい人じゃない!?
(例:お前から1万円借りたから、あとで1万円返せよ)
でもそれをやってるの!

『マンガでわかるこんなに危ない!? 消費増税』p40

なので、先ほどの、「国債は誰が誰から借りているか」は「政府」が「国民」から大半を借りている、が答えと言えましょう。

中田さんがこれを「Wボケ」と表現されていてなるほど流石だわと思ったので、言い回しうろ覚えですがご紹介します。
政府「(本当は国民から借りてるけど)国民の皆さんには1人当たり〇百万の借金があります」←ボケ
国民「そうなんだ!」←ボケ
→国民が「何言うとんあんたが借りててあたしが貸しとんや!」ならツッコミ不在になりません。

これらを隠して「国の借金」という曖昧な言葉を強調し
政府の借金を国民にすり替えるやり口…!
資産は伝えず借金は水増し
これが消費増税という結論へ扇動するためのプロバガンダでなくして一体何だと言うの!!!

『マンガでわかるこんなに危ない!? 消費増税』p41

国債の額が国民の預貯金の合計額と比べてどうこう、という話も昔はよく聞きました。
今までの話から、「国債はほとんど日本国民が買っているから、そんなに心配いらない」ならまだ分かりますよね。

それを、「もし国債を急に返さないといけなくなったら国民の預貯金を全部凍結させてそのお金で返せばいいよ」と飛躍される方もいました。急に自分のお金がとられるかもしれない危機感に、子どもながらすごく怖かったのを覚えています。

序のまとめ

いかがでしょうか。
国債が1千兆円超えていて、国民1人当たり9百万円の借金をしているのと同じだから増税しないといけない」という、どこかで聞いた覚えのある理論。
それに対して、「その1千兆円という数字の約半数が水増し。残り半数もほぼ『国民』が『政府』に貸しているお金なのにおかしい、印象操作だ!」という話でした。

まだ本書の序盤も序盤なのに、強烈だったため丁寧にご紹介しましたら、ちょっとお腹いっぱいになりました……。なので、1つしかまだ「隠していること」をお伝えできていませんが、いったんここで記事を区切ります。マンガだから読みやすいのに「目から鱗」の連続な本書のご紹介、続きはこちらからご覧ください。

「消費税を増やそう派」が私達に隠していることを知ろう・破
こんにちは、もも海です。「序」に引き続き、消費税につきまして、「よく分からないけど、とりあえずだんだん上がっていく感じなのかな?」等の状態から、よりご理解を深めていきましょう。「序」をまだご覧になっていない場合は、おそらく今回から読み始める...

ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました!

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