こんにちは、もも海です。
今回は前回の続きの前に、消費税について話す際前提となる、「序」を書く時には「もう貴方ならご存じかもしれない」と省いてしまった、直接税と間接税などについてお話しします。
ご存じかもしれないとはいえ、省略すると「消費税の話をしているのに“逆進性”に触れない」記事になってしまうと気づいたためです。
もしご存じでなかったり授業などで聞き流したりされていた場合、あまりに不親切だと気づき、反省いたしました。確認がてらお付き合いください。
直接税と間接税
直接税と間接税を簡単に言ってしまうと、税金を納めている人と税金を払っている人が同じか違うかという話です。
直接税:税金払う人=納める人→国や都道府県等へ
間接税:税金払う人(消費者)→納める人(お店など)→国や都道府県等へ
たとえばスーパーでパンを買った時や髪を切った時、つまり商品やサービスを提供された際、本来の料金に消費税を上乗せされた額を代金として私たち消費者は払いますよね。
その額を実際に納めるのは私たちではなく、お店などの事業者です。なので、直接納めずにワンクッション置いている納税ということで間接税と呼ばれます。
一例と特徴
直接税と間接税に関しまして、たくさん種類があるので一例を紹介しましょう。
直接税:所得税、法人税、相続税、県民税、自動車税、固定資産税
間接税:消費税、酒税、たばこ税、揮発油税(ガソリン税の一種)、関税
また特徴として、直接税と間接税はともに○○的公平とよく表現され、これによりメリット・デメリットが生じます。
直接税:垂直的公平
直接税は基本的に「たくさん稼ぐ人にたくさん税金を払ってもらおう!」という税金です。
なので、累進課税や控除などにより、まだそんなに稼げていない方へは少なめに、たくさん稼げている方には多めに税金を払ってもらうよう設定されています。
ただし、ある程度の収入ラインを超えると税収が上がってしまうため、「むしろ手取り額が下がる」逆転現象が起きることもあります。
基準額をちょこっと超すより親や配偶者の扶養におさまっていた方が得、みたいな話です。
間接税:水平的公平
反対に間接税は、「消費量が同じくらいの人には同じだけ払ってもらおう」という税金です。
たとえば価格帯が同じスーパーで食材を買う場合、1人暮らしのお家よりも3世代6人暮らしのお家の方が1カ月の購入量(消費量)多いですよね。なので、6人暮らしのお家の方が消費税(間接税)の負担が重くなります。
これは、もし上記の1人暮らしの方の年収が6人暮らしのお家の世帯年収より多くても、購入額が少ないなら払う税額も少なくて済むとも言えるでしょう。
また、所得の少ない人ほど、消費税の負担感が重くなる傾向があり、消費税の税率が上がるとさらに負担感が増えるのです。
この特性から、消費税には逆進性があると度々批判されています。
収入が減ってしまった時、どうしても家賃や食費等の(削るにも限度がある)生活費の占める割合が高くなってしまうので、「塵も積もれば山となる」印象を消費税に抱いてしまっていました。
以上が、私が学校で習ったと記憶している消費税についての分類の話です。
“逆進性”肯定派の主張で気になること
学校で習う範囲を少し超える気はしますが、一応触れておきたい話も少しいたします。
逆進性や水平的公平について考えた際、消費税賛成の方のご意見も検索上位にいくつか表示されました。
その中で本に載っていないように思えた主張に関しまして、疑問というか、気になることを記載してみます。
貴方がどちら寄りのご意見を持っていても、もちろん大丈夫です。
こういう意見もあるのねと「当たり前を疑う」きっかけにしてもらえたら嬉しいかなと思い、記しています。
逆進性という勘違い
こちらを要約させてもらうと、「消費税の逆進性はあるけど高額所得者は給付が少ないなど色々不利益がある」というお話のようでした。
ただ、私の感覚かもしれませんが、下のようなことが言えるのではないでしょうか。
基本的に給付金は該当者のみ、消費税は全員
プラスマイナスがトントンになるというのは言いすぎかなと感じるのです。
たとえば育児関係の給付は、とてもありがたい制度でしょうし、それがあるから子育てのハードルが少し下がりましょう。ただ、お子さんが(まだ)いらっしゃらない方や、もうお子さんが大きくて対象外の方には「そんな給付もあるのね」に過ぎないですよね。
皆さん性別や年代、職場内や家庭内でのポジションなど、色々な属性を持って生活されています。その属性に関係しているものを探して、しっかり給付申請できる方ばかりならいいのですが、基本的に「もっと早く知りたかった!」ということが多いような気がしませんか?
今年の1人10万円の特別定額給付金のように、基本的に全員が対象のものでないと、声高に教えてもらう機会ってめったにないんですよね……。
そうなると、給付はあまり活かしきれていない。その割に全員が負担している(テイになっている)消費税に関しては、バッチリ影響を受けてしまいますよね。
プラス幅が不明瞭で、マイナス幅がある程度わかると、「どんどんお金が出ていく」ような危機感を覚えてしまって財布のひもを大勢が締め出す。その結果不景気の連鎖から出られなくなるのかなと思うのですが、いかがでしょうか。
自己破産しても納税
それに、万が一(健康保険の保険料や養育費、損害賠償などと一緒で)自己破産したとしても、納税は払わないといけません。
そこまで強制力がある税金と、申請しても不備等でダメになる可能性さえある給付金とは、釣り合いが取れにくいように感じてしまいます。
消費税の取り立てだけは赤字だろうが死のうが容赦なく取り立ててくる
『マンガでわかるこんなに危ない!? 消費増税』p45
すきです消費税
また別の記事では、「社長等は会社員のような(税収後の額でやりくりするしかない)給与所得者と違って、経費でプライベートのご飯も落とせる場合がある。だから、みんなから平等に徴収できる消費税の方がすき」といったお話を拝見しました。
一理あります。ただ、それならより一層、税金ガチガチに取られてる給与所得者がますます貧しくなる一方なのでは? という疑問が尽きないのです。
全員から平等に徴収している税金だから(多く払うようになっても)いいや、という理論で思考停止するのが、なんとなく怖いように感じてしまうのは私だけでしょうか?
知っておいて欲しいけれども消費税って本当に不平等よ!
『マンガでわかるこんなに危ない!? 消費増税』p44-45
お金がない人ほど手元のお金は全部使うしかないから負担が大きく(これを逆進性という)
一生死ぬまでかかる税金だし
中小企業みたいな弱い立場の会社は消費税分を値上げできなくて困っているのに
大企業は「消費税分をまけないと取引しない」と言ってきたり
そのくせ大企業は特殊な控除で1円も払わないで済む会社まである
(引用の最後の行で青い下線を引いた部分に関しまして、本には具体的な業界名が注釈で書かれていましたが、ここでは省きます)
大多数の若者の立ち位置問題
それから、消費税等の影響で所得の格差が広がって、豊かな方と貧しい方に分かれたとします。その場合、大多数の若者が貧しい方に入りがちなことも、問題だと感じます。
大多数の若者が貧しい方に入れば、
- 収入が少ないからと経済をあまり回せなかったり
- 結婚や希望人数の子育てを諦めざるをえなかったり
- 世を悲観して「しにたい病」になってしまったり
するのではないかなと。
そうなった時、というかバブル崩壊後徐々にそうなっていった気もしますが、社会全体が意気消沈してしまう危険性があります。
「若気の至り」でもなんでもいいから、がむしゃらに、壁や天井を感じさせないパワーと勢いで盛り上げてくれる。そんな存在がいたら明るくなれますよね。
もちろん今の世の中にも頼もしい若者はいます、頑張ってらっしゃいます。その数がもっと増やせるような寛容な社会を(1人1人のできることは小さくても)創っていったら、より楽しい未来を思い描きやすくなるのではないでしょうか。
理想論かもしれません。ただ以前聞いた「就職氷河期で非正規雇用で働くしかなかったから結婚等色々諦めた」方の話を考えると、言わないよりはいいかなと思い載せました。
明るい理想の未来を思い描く人が多ければ多いほど、明るい未来を惹き寄せられる確率も上がります。
具体的にはどう動くのか
具体的にはどうするんだ、という話ですが、下の3点に集約されるかと思われます。
- お金等に関する知識を増やす
- 意見等を発信していく
- 「幸せな小金持ち」を目指す
知らないのであればまず知るのが大切です。また発信してご自身の言葉にすることで整理され、ブラッシュアップできます。将来的には「お金に働いてもらって自身は好きなことをする」ようになれたら、少々のことで一喜一憂しなくて済むはずです。
なので、個々人がしっかりお金の知識を得て、意見を交換し、「幸せな小金持ち」を目指す。こうすることで、結果的にワクワクする未来になっていくではないでしょうか。
最初から的を得た話をするのは難しいかもしれませんが、声が上がっていって良くなったことって結構ありますよね。
数年前の「保育園落ちた日本死ね!!!」以降、育児介護や女性の活躍をやりやすいような制度を厚生労働省から事業主に向けてや保護者の方に向けて等色々動いたこともそうですし、今年の検察庁法改正案が見送られた騒動もそうです。もっと身近に、学校や職場でも貴方の声から良くなったご経験があるのではないかと思います。
貴方の気づきを伝えて、もっと喜ばしい環境を目指してみませんか?
(補足)若者って何歳まで問題
若者の立ち位置がどうこうというと、何歳までが若者か、という問題もありますよね。
シルバー民主主義で昔よりも「若者向けのもの」が減っている現状で、いくつまでの方を指して若者というのでしょう。
(「自分の年代は若いと思うバイアス」を強く感じる還暦すぎの方に会ったことがあります。所属するところによりますし、精力的に動かれるのはステキなことですが、一般的な「若者」の年齢について考えてみたらもう少し下かなあと感じます)
日本の2020年時点の平均年齢が48.4歳ということで、平均年齢以下の人とするのか。
合計特殊出生率の対象年齢は49歳までとされていますし、広義の意味ではいいはずです。
または、34歳までとするのか。
厚生労働省の若年者雇用の定義ではそこが線引きになっています。
それから35歳はそれまでの生き方から変更しにくくなるとか、精子や卵子が云々と言われる年齢です。なので、生物的に考えたらアリかもしれません。
34歳以下であれば「まだまだ若い」なんて若さを敢えて強調することが少ない世代でもあるでしょうし。
あ、大学の頃同級生に「ハタチとかババアやん」と言われた古傷がうずきました。もしかしたら社会人2,3年目くらいまでは、1,2歳差で先輩後輩を考えて「3歳上とか経験の数が違う!」と信じ切っていた、かつての私みたいな感覚が主流なのでしょうか。
「誰が見ても若者」な年齢の方からすると34歳や49歳って――。
貴方ならどの辺りまでが若者だと思われるでしょうか?
まとめ
今回基礎的な話と、それだけだと寂しいかもと付け加えた話とでふわっとしてしまいました。
まとめますと、こんな感じです。
消費税:間接税・水平的公平と言われる・(お金がない人ほど負担が大きくなる)逆進性がある・ほぼ全員が払わないといけない・自己破産しても納税
これらの特性と、若者の大多数が豊かな方でなく貧しい方に入りがちなこと、2つが組み合わさると結構問題ですよね、という話をいたしました。
その上で、私たちにできることとして、お金の知識を得て、意見を発信し、「幸せな小金持ち」を目指す、そうすればより良い未来へ向かえるのではないかと感じています。
ここまでご覧いただき、ありがとうございました!
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