こんにちは、もも海です。
なんだか息が詰まるような日々が続きますよね……。
自粛云々もそうですがそれだけではなく、「○○ならこうあらねばならない」みたいな固定概念の押し付けで自他ともに身動きできない、そんな方が増えた印象です。
「確かにそう生きられたら理想だけど、それが毎日完璧にできたら誰も苦労しない」ような高いハードルを平然と求められると、なんとなく凹んじゃいますよね。
もし固定概念通りの生き方が楽な場合は、身動きとりにくくてもそれでいいかもしれません。ただ、現代は多様性が叫ばれています。
もっとゆるく、ご自身をおおらかに認めて生きてもいいのではないでしょうか?
なぜ今、この本なのか
今回参考にした図書『尾木ママの「凹まない」生き方論』は、どちらかと言えば子育て等にてんてこ舞いになっているママさん向けでした。東日本大震災の約半年後に発行されているため、関連の描写もそこここにあります。
ただ、日々にてんてこ舞いになっている方や、不条理なことはあるけれども精一杯頑張っている方へのエールである点は変わりません。
その証拠に、「はじめに」の「東日本大震災は、」の後に続く文章として、こう書かれてあります。
明らかに日本人の人生観や生き方、社会観に大きな影響を及ぼしています。
『尾木ママの「凹まない」生き方論』p3
そんないまだからこそ、これを契機に、生き方や価値観を見つめ直してみたい、と思うんですね。
さぁ! “打たれても、凹まない”生き方、ボクと一緒に考えてみましょ。もちろん、ゆっくり、じっくり、貴方のペースでね。
あれ、急速に今までの仕事や学校の進め方、生活等が見直された「今(2020年に)」読んでも十分参考になるのでは?
この「はじめに」の結びをご覧になって、私と似たようなご感想を貴方も抱かれたのではないでしょうか?
そう、何かとんでもないことが起きても、「不幸中の幸い」や「学び」をつかんでしまえばこっちのものです。
帯にご本人の写真とともにメッセージのような文章が載っていました。温かい文章でぜひ見ていただきたいのですが、期間限定だったのかAmazonでは見当たりませんでした……。
表裏の表紙を撮りましたのでご覧ください。
この本に書かれている25個の提案の中から7個を紹介していきます。
※10年以上「尾木ママ」と認識しており、「尾木先生」より優しい印象や親しみやすい印象が伝わる気がするので、文章中でも敬愛の意を込めて「尾木ママ」と表記させていただいております。
「ま、いっか♡」と切り替える
あれもこれもしないといけなくて焦っている時に「ついでにこれもお願い」なんて言われると、パニックですよね……。正直考えるだけでゾッとします。
そういう時に「私も大変なの、察してよ!」なんて爆発すると、一瞬は楽になれますが、後で自己嫌悪に襲われたり相手へのフォローを考えたりすると大変ですよね。
そこで、「ま、いっか♡」です。
「後回しでもいっか」
『尾木ママの「凹まない」生き方論』p18
「まぁ、上手くいかなくてもいっか」
という感覚ですね。でも、このひと言で、気持ちを切り替えられるの。
つまり、“物事にこだわらない”ということ。こだわりをポイッと捨ててしまえば、本筋から外れた余計な時間や意識を使うこともないでしょう?
全部を完璧に仕上げるのは貴方がいくら有能でも大変だと思います。妥協してもいいところはハードルを低めにして、「ま、いっか」にしていきましょう。
お気に入りの香りで切り替える
尾木ママの紹介する簡単な切り替え方法が「どんなものでもいいから、アロマをかぐ」です。
柑橘系、ハーブ系、フローラル系、スパイス系、なんでも、貴方の好きな香りを。
実際、脳がアロマをかぐことによって、イライラしにくい脳に変化することも実証されています。これがアロマテラピーね。アロマテラピーは、日本の鍼灸のようにヨーロッパなどでは医療行為として実践されています。
『尾木ママの「凹まない」生き方論』p19-20
昔夜中にヤツが出たため、対策も兼ねてアロマオイルを部屋に置こうと思い立ちました。その際、「疲労軽減効果や明るい気持ちになれる」と聞いてレモンの香りを採用したんです。心身しゃっきりしたのですが、覚醒効果が効きすぎて不眠症状が悪化しました。
効果やどこで使うかの確認はしっかりされた方が良さそうです……!
香りの成分が脳に伝えられ、その刺激で心身に効果が表れます。
種類ややり方がたくさんあるようですので、貴方に合ったものをお試しください。
ムダなものの中に大切なものが潜んでいる
効率化、効率重視なんて言葉を聞く機会が増えましたよね。
「時間も空間も、生活の中で余分なものを省いた方が、より大切なものにかけられる割合が増える」という理論。たしかにそれは、ムダを多く抱えてしまって身動きが取りづらくなっていると刺さりますよね。
私も深刻に「ムダをどんどん削らないと」と受け止めていました。
ある程度は効率を高めていけばいいのですが、「遊び」の部分が少なくなるにつれ、自分が機械にでもなったような錯覚を覚えたことはありませんか? 無味乾燥というか、楽しくないというか、モヤモヤした感じです。
しかも効率化していけばいくほど、まだ「上には上がある」ことを察してしまって愕然としたことも
たとえば受験勉強の頃などにあるのではないでしょうか。
効率化をやってもやっても、キリがないし限界だと落ち込んでしまう。もし貴方がその負のループに陥りそうになっているなら、この言葉を思い出していただきたいです。
ムダなものの中にこそ、人生のゆとりや豊かさや、その人の個性が潜んでいる(中略)
『尾木ママの「凹まない」生き方論』p48,51-52
ムダの中から得るものは、お金では換算できないものです。(中略)
考えてみれば、人生そのものがムダの連続。ムダや寄り道があるからこそ、素敵な面白い発見があるんですね。そして、ほんのささやかなムダ“余白”の部分が人を笑わせたり、喜ばせたり、感動させたり、幸せにしたりする
効率化が個性をそぎ落とす行為としたら、効率化の過程で捨てられなかった一見ムダなものこそ、貴方の大切なものと言えると思います。
ものを捨てる行為は快感や達成感も大きいです。ミニマリストのように大切なものをギュギュっと絞った友人を、絞り切れなかった身として私は尊敬しています。
ただその友人も、「必要なものまで捨てちゃったから買い戻した」と最初の頃は話していました。試行錯誤して今は必要なものを厳選して持っているそうです。
他人からしたらムダに見えることでも、貴方にとって大切なものか手放せるものかを確認してみましょう。
判断基準が「ときめくか」や「今要るか」など他人には量れないことなので、ご自身のペースでゆるりと向き合ってみてください。
隙がある人に
一見隙がなさそうな人って、いますよね。ガチガチの完璧主義の方とか、一点特化型でそれ以外のことには見向きもしないような方って。
状況が変わらなければそれでもいいかもしれません。ただ技術の進歩や社会情勢の変化でいくらでも前提が揺らいでしまうのを考えると、現実的とは言えませんよね。
写真でおなじみの富士フイルムもそうです。
デジタルカメラが当然になってきた頃に、頑なにカメラのフィルムにこだわってしまっていたら、早々に消えていたかもしれません。
「我々が売っているのはフィルム(商品)じゃない、美しい写真を撮ってもらう喜び(価値)だ!」みたいなマーケティング的発想の転換を感じます。
2006年頃からの転換によって化粧品事業などに手を伸ばすなんて、多分2000年頃入社した社員さんは夢にも思わなかったと思うんですよね。
とはいえ、変化を受け入れられなかったり、頭や心の余裕がなくて上の意向を拒否してしまったりしたら、会社に居続けるのはなかなか難しいでしょう。
そしてこれは富士フイルムに限った話ではなく、激動の時代を生きている私たちみんな、体験してもおかしくありませんよね。
「どうなるか分からないから対応できるように空けている余白」がないと、しなやかには生きがたいです。
遊びを残して自分の枠をガチガチに決め込まないから、失敗を許せたり、忘れられるの。そうすると無用な衝突や、しなくてもいい争いにムダなエネルギーを使わなくて済みますよ。
『尾木ママの「凹まない」生き方論』p134
こうして、いろんな人の意見や発想を受け入れて選択肢を増やすということは、”多様性”を生むことなんですね。(中略)簡単に言うと広がりや奥行き、強さを兼ね備えていることなんですね。なにがあっても、ちょっとやそっとではへこたれない、潰れてしまわないんです。
会社人間でずっと生きてきて、ガチガチの会社的思想と、仕事絡みの交友関係しかない――なんて人、多いでしょ? そんな隙のない人、定年になった途端、居場所がどこにもなくて抜け殻みたいになっちゃうのよね。
『尾木ママの「凹まない」生き方論』p137
だからこそ、隙がいっぱいあったほうがいい。
素敵な人ほど、芯の強い人ほど、隙や遊びがいっぱいあるものよ。
学校のいじめや過労死も、「この狭い世界で生きるしかない」と思い込んでしまうから、絶望して「しにたい病」に繋がるんですよね。
「ここでは水が合わなくても、私の生きやすい場所は他にある」「別に収入を得られるようにしているから、もしこの会社が潰れても大丈夫」と思えば安心感が違うはずです。
一見隙だらけなように見えて、実は味方が多くて騙されにくい方が生きやすいしステキな女性だなあ(私をいじめていた人達どんどん左の例に変わっていったなあ)と数年前こちらの記事を読んでハッとしました。尾木ママの定義する「隙のある人」とは少し異なりますが、あわせてお伝えします。
身体からのSOSのサインに対処する
全然疲れていないと思っているけれど“普段はしないようなミスが重なる”というのは体からのSOS信号なの。(中略)
『尾木ママの「凹まない」生き方論』p101
自分の調子を見極める基準、サインを決めておくのは大切なんですね。そうした小さなサインを見逃さないことが、常に一定のペースで走り続けられる秘密かも
人と付き合うのも身体も心も、小さな違和感を「大したことない」と言い聞かせて流していたら大変なことになりますよね。
私も「大丈夫、あの時よりマシ」と言い聞かせて耐えていたら、相手は付け上がり続け自分はうつ病になりました。
歯医者やがん治療などもそうですが、「初期のうちに対処すれば、時間もお金も症状も大事にならなくて済む」とよく言われます。
「自分がいなかったら大変だ」という責任感が強い貴方だからこそ、しっかり体調管理をして健康でいていただきたいです。
そして「不調に気付いた際にどうしたら良いか」も続きに載っていました。
”キチンと体を横たえる”のが正解よ。(中略)
『尾木ママの「凹まない」生き方論』p102
なぜかというと、横に平らに寝ると、体中の毛細血管の末端にまで血液が行き渡るからなんです。体のすみずみまで新鮮な血液が循環することによって、しっかり疲労が回復するんですね。
やむなく車の運転席でスーツのまま無理くり横になって休んでいた際、ベッドで休むより全然回復しないと感じていたのはこういうことだったのか! と目から鱗でした。
不調を放置して大変なことになる前に、早めに対処していきましょう。
“生活年齢”があるから「手遅れはない」
「子育てや人間の成長に手遅れはない」
『尾木ママの「凹まない」生き方論』p71-72
というのも、人間には、脳年齢だけではなくて、“生活年齢”というのがあるんです。生活というのを“経験”と置き換えてもいいわね。たとえば、5歳のときに半年かかって習得できたことが、10歳になったときには同じ課題を習得しようとすると、わずか3日でできてしまう――というもの。それは学校の勉強もそうですし、家事などの作業もそうだし、物事を考えるということでもそうだわね。
つまり、ボクたち人間は、死ぬまで成長し続けるんですよ。言い換えれば、人はいくつになっても回復できる、巻き返せるものなんです。
(※実例として挙げたい幾人かの偉人の話は、文量の関係でまたの機会にさせてください)
50代や60代からでも、心機一転して歴史に名を残した方は結構いらっしゃいます。
そこまでいかなくても、新しい仕事を覚えようと努力されている方も、脱サラしてよりご自身らしい形で社会に貢献している方も、結婚や一人暮らしを機に家事を覚えだした方も、「この時代に即した形での」子育てを試行錯誤されている方も、たくさんいらっしゃいますよね。
今日から、昨日までと同じように進むのか、明日を変えるように進むのか、貴方が選べるのです。
そのために大切なのは、普段の生活を活性化させること。
『尾木ママの「凹まない」生き方論』p72,75
暮らしにちょっとした刺激というエッセンスを加えたり、人間関係を豊かにするだけでいいんですね。いい刺激があれば、人はいくらでも伸びていくものです。(中略)
今日、いま、この瞬間が、残りの人生の中で“一番若い”ときでしょ(中略)
子どもにとっても大人にとっても、学ぶということは、単に知識を増やすのではなく、そうした推進力“生きる力”を得るということなのよ。
ちょっと極端な例ですが、毎日職場と家の往復だけで帰宅したら疲れに身を任せて早々に寝る(休みはひたすらゴロゴロする)ような生活だったら、心が老け込みそうではありませんか?
変化してさえいればいいという訳ではないにせよ、変化できる余地は残しておいた方がいいかもしれません。新品を初めて使うようなワクワク感を日々に取り入れましょう。
あるものに感謝する
生きていたら色々な後悔がありますよね。
- もっと勉強していたら志望校に入れて人生変わっていた?
- 初恋の人に勇気を出してきちんと告白していたら?
- 家族や「あの人」と、もっともっと向き合えていたら?
- 感謝の気持ちをしっかり伝えていたら?
- あんな風に言わなければ/ふるまわなければ「あの人」との縁も切れなかった?
子どもより大人の方が歳の数だけ後悔の数も多い可能性はありますが、深刻に考えているようであればその真剣さは変わりありません。私もたくさんあります。
とはいえ、「たら」「れば」と過去のIFをいくら考えても、今の状態が変わるわけではありませんよね。
過去の私たちなりに、その時の最善を尽くしたうえでの今です。
向上しようという本能で「ないものねだり」をしてしまうことは仕方ありません。ただ、「大切なものは失ってから気づく」のもまた事実ですよね。
それであれば、なくなる前に、今貴方にあるものに感謝してみると世界が違って見えるかもしれません。
子どもも大人も、どうにも抗えない無力感、不安の中で感謝を忘れていないんですね。感謝する、というのは人間だけが持ちえる感情であり、思いです。
『尾木ママの「凹まない」生き方論』p156
なくしたものを数えない。
いま、あるものに感謝する。(中略)
どんなに辛い中でも「ありがとう」と言える人、感謝という人間らしさを忘れない人は、なによりも強い。
なくしたものの方が印象に残っているので数えやすいですが、言い出したらキリがないですよね。
私たちに共通して言える「この変化に富んだ面白い時代に生まれたこと」も、見ようによっては幸運と言えます。
右向け右で大人に言われるがままにレールの上を歩いていた時代とは違う楽しいことが、貴方の人生に待ち受けているかもしれませんよ。
幸せの所在
先ほどの話と少し被りますが、時代が変わって「幸せ」が目に見えにくくなりましたよね。
テレビがあれば、冷蔵庫があれば、なんて数十年前は分かりやすい基準があったそうです。
あらかた既にそれらは持っていて(不要と思えば捨てていて)、その上で将来などへの不安な気持ちがいつもくすぶっている。
そういう方が多い、そんな印象があるのではないでしょうか?
『幸せの青い鳥』でも言われていますが、幸せは気が付きさえすれば今貴方の近くにあるものです。
幸せは、おいしいお味噌汁の中に、お豆腐やらネギやら油あげと一緒にちゃんと入っているの。そこに元々あるものなのよ。あなたのすぐそばに。
『尾木ママの「凹まない」生き方論』p169
見えにくくなっていることも多いかもしれません、普段なかなか意識しないのが普通です。
ただ、よくよく考えてみたら、あるはずです。
もし、万が一、近くにある幸せが全く分からず「ハハ、もう絶望しかないわ~しにたい」がよぎってしまった時は、いったん寝て、心身休ませてください。
貴方の訃報で悲しむ方は必ず一人はいます。無理を強いられやすい世の中ですが、貴方の「幸せの青い鳥」が近くにいるはずなのでしっかり休んだ後に探してみてください。
美味しいものを食べてゆっくりしていただきたい、などを書いた以前の記事もご参照ください。
まとめ
いかがだったでしょうか。
下に振り返りました、これらの考えを人生に取り入れて、「凹まない」生き方を目指していきましょう。
- 「ま、いっか♡」と(好きな香りで)切り替える
- ムダに見えるものの中に大切なものが含まれている
- 「隙がある人」を目指してしなやかに生きる
- 身体からのSOSのサインを流さないで、横になって休む
- 人生に手遅れはない
- 今あるものに感謝する
- 幸せは貴方のすぐそばにある
他にも、「ストレスは我慢しないで『セロテープを貼る』ような工夫でガス抜きしよう」だとか、なるほどと思うことがたくさん載っていました。よかったらぜひご覧ください。
それから、今回の趣旨と反対に「使わない方がお互いハッピーなのでは?」という言葉として、「頑張って」と「大丈夫?」に関しては長くなったので別記事に分けました。よかったらそちらもご覧ください。
最後までお読みいただきありがとうございました!
コメント